山英
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山崎英利のお茶語り 〈山英社長のコラム〉

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18. 創業90周年に寄せて

創業90年の節目を迎えるにあたり、ここまでこられたのはひとえにご縁をいただいた皆様のおかげであり、そのことにまず心より感謝申し上げます。

これまでの山英の歩みを振り返ってみますと、山英は祖父・山崎英一が昭和2年2月に肥料販売を生業として事業を興したことに始まります。有機質肥料の原料として早くからカイコのサナギに着目し、昭和28年にはその安定供給のために鐘淵紡績㈱との直接取引を始めました。昭和49年10月、父・山崎定次が紡績原料加工の特殊技術"高速副蚕(ふくさん)カッター"を開発し特許登録、この特許技術により翌50年4月から山英は鐘紡㈱生産協力チームに加入することになりました。"高速副蚕(ふくさん)カッター"はカイコの繭を繭とサナギに分離するもので、繭はシルクの原料として繊維業界に返し、サナギは肥料配合メーカーに有機肥料の原料として流れる、という同業他社にはない独自の業態を作りあげ、動物性有機質肥料の原料製造が山英の社業の中心になりました。

昭和55年頃からは肥料工場より生産される動物性有機質肥料を与えて栽培された緑茶の販売に力を入れ始めました。平成2年、長期にわたる醗酵肥料開発が実を結び、有用土着菌(有効微生物)をベースにした有機肥料を使うSADAJI(サダジ)農法の基礎が確立しました。SADAJI(サダジ)農法は、茶の木の育成に適した善玉土着菌を培養した有機肥料を作って畑に施すことで食物連鎖を活性化し、土壌のサイクルを正常化するものです。これにより土壌の『地力』は回復し、施肥量を抑えても品質は維持され、しかも収量は増えるという画期的な役割を果たしました。近隣の茶農家さんには契約農家として施肥の時期、施肥量を設定してSADAJI(サダジ)農法を実践していただき、その畑で摘み取られた茶葉を集め、茶問屋として茶の販売を行なうことに社業がシフトしてかれこれ35年程になります。

当初は「肥料屋がお茶屋をやる」ということで外圧等もありましたが、茶農家さんはじめ地元の皆様のご協力により、日本の四季を活かして摘み取る【秋摘み新茶】、緑茶の多機能利用の先駆けとなった食用茶の開発とそれに伴う工場の衛生管理システムであるHACCPの導入など、山英が業界で初めて取り組み、世の中に認知、ご評価いただいたこともいくつかありました。

今この場に立って感じることは、社業の中心は肥料商、動物性有機質肥料原料メーカー、緑茶製造販売と変遷してまいりましたが、いずれの時代もおよそ30年である点です。山英はそのオリジナリティと業態変化が社風であるならば、90周年は次への移行期にあたります。この先を思う時、ある種の怖さと楽しみとが合わさった、不思議な感覚にとらわれます。

山英は創業以来、地元の皆様をはじめ関係者の皆様のご理解とご協力の中、若い感性で"山英だからこそできる品質"を模索してまいりました。これより100周年に向かい、生み出していく新しいものにつきましても、これまで以上のご指導、ご鞭撻を頂戴したく、なにとぞ宜しくお願い申し上げます。

2017年2月14日