人を弔うことは、突然の不幸はもちろん、たとえ予期していたことであっても、その場に直面するとだれもが戸惑います,そんな時の一助になればと、お葬式などに関わる知識を簡単にまとめてみました。なおここにご紹介したのは一般的な事柄で、宗教や宗派、地方によって違いがあります。葬儀を行う側はもちろん、参列する側としても失礼のないよう、必ず前もってご確認ください。
その時の心境は察して余りありますが、気丈に、そして冷静に対処しなくてはならないことがあります。ひとつは今のうちに会わせておきたい人に連絡をとること。親族への連絡は三親等(おじ・おば、甥姪など)までが一応の目安となります。また本人と交流のあった友人等もわかる範囲でできるだけ連絡を取りたいものです。もうひとつは、現実は現実として「死」の準備をしておく必要があります。特に実際の葬儀を取り仕切る葬儀社をあらかじめ調べる、あてをつけておくことはとても大切です。
葬儀への準備に必要な事柄は次の通りです。
・葬儀社やつきあいのある寺院(菩提寺など)への連絡(または式の形式により
神社や教会への連絡)
・火葬場や式場の予約
・葬儀日程を決める(僧侶など宗牧者の都合などを考慮し、葬儀社と相談して
決定)
・遺体の搬送~安置~納棺
・医師に死亡診断書を書いてもらう~診断書、死亡届、死体火葬許可申請書
を一緒に提出
・葬儀日程の通知(電話が一般的、あるいは死亡広告や通知状。仏式以外の
葬儀を予定の場合は必ずその旨を通知する)
本来は四十九日の忌明けにお返しするものですが、最近では配送の手間が省けるなどの理由から、葬儀当日に香典返し(即日返し)を渡すことも多くなっています。一般的には、香典額の1/2~1/3程度の金額に当たる品物を、あいさつ状とともに贈ります。品物は葬儀を記念する(後に残る)ものは避け、いただいた方が使い切ることができるものを贈るのがよいでしょう。現在、よく香典返しに用いられるのはタオルやお茶、寝具類、海苔、石けんなどです。また最近は少量でも質の良いものを贈る傾向にあります。選ぶポイントは自分自身がもらって役立つもの。それはたぶんだれにとっても役立つものです。いずれにしても香典返しは自分の価値観や選択眼で充分に吟味したいものです。
男性女性ともに礼装は黒が基本。それに続くのが紺あるいは地味なグレーです。
葬儀は礼装が基本ですが、遺族のように正喪服である必要はなく、準礼装か略礼装が一般的です。男性の準礼装は黒いスーツに黒いネクタイ、略礼装はダークスーツがこれにあたりたります。女性の準礼装は黒のフォーマルスーツか和装なら地味な色無地に黒帯。略礼装は地味なスーツかワンピースにします。黒い服だからといって派手なデザインやミニスカートは避けるのはもちろん、派手な口紅やマニキュアも禁物。アクセサリーも真珠程度までと考え、控えめを心がけましょう。
① 仏式の場合は
「御霊前」「御香料」「御香華料」などがあり、「御霊前」が最も一般的です。「御仏前」は?という方がいるかも知れませんが、これは一般的には四十九日後の法要などの際の書き方です。ただし浄土真宗では、葬儀でも「御霊前」ではなく「御仏前」を用います。これは浄土真宗が霊の存在を認めていないからで、キリスト教のプロテスタントなども認めていません。したがって「御霊前という表書きがどのような葬儀にもふさわしい」とは厳密にはいえないようです。
② どんな葬儀でも失礼にならないのは
故人の宗旨がわからない場合は、「御香奠」と書かれたものを選ぶのが無難です。「御香奠」は宗旨に関係のない言葉で、自由葬にも用いられます。
③ 神式、キリスト教式の場合は
神式では「御榊料」が一般的、キリスト教式の場合は「お花料」を選ぶのがいいでしょう。「お花料」はプロテスタント、カトリックいずれにも通用します。
結婚披露宴でのスピーチは、「お祝いの言葉」「自己紹介」「新郎新婦の人柄の紹介」「はなむけ・結びの言葉」の順番で構成し、3分くらいを目安にすると、まとまりのよいスピーチになります。3分を字数にすると、およそ900字です。事前に書きだして練習するとよいでしょう。スピーチで気をつけなければいけないのが、「壊れる・別れる・切る・終わる・戻る・たびたび・重ね重ね・ますます」などの、忌み言葉や重ね言葉。これらの言葉を使わないように注意しましょう。以上の点に気をつけて、形式ばらないご自分の言葉で、おふたりの門出を祝福してください。
① 中袋の書き方と包み方
中袋の中央に金額を、漢数字・旧字(金壱萬円など)で縦書きにします。また住所氏名を必ず忘れずに書きます。弔用の金包みの折り方はイラストを参照にしてください、ポイントは上に折り返した側が下にくるように重ねること。重なりが下を向くことで、悲しみの心を表わすといわれます。香典に包むお札は、新札を避けるのがマナーです。
② 香典はどのように出すか
亡くなった直後の弔問の際には持参せず、通夜か告別式に持っていきます。香典袋はできるだけふくさか小風呂敷、ハンカチに包み、丁重さを表すようにしたいものです。
表書きは薄墨で書くのがマナーです。
①会葬者の名前をフルネームを書きます。
②夫婦揃っての会葬の場合は、世帯主名か連名のどちらでも構いません。夫婦揃って故人との関係が深い場合には連名にします。
③会社名を入れる場合は、会葬者名の右に小さめの文字で書き添えます。
④妻が夫の代理で会葬する場合などは、会葬者の名前の左横に「内」を小さく書き添えます。会社などで上司の代理で会葬する場合には、会葬者の名前の左横に「代」を小さく書き添えます。
⑤3人までの連名で名前を入れる場合は、目上の方から目下の方に、右から左へと書き添えます。4人以上の場合には、代表者の名前を書き、名前の左横に「外一同」と小さく書き添えます。そして、別紙か中袋に全員の名前を書きます。
⑥グループで香典を包む場合は、「○○○一同」「株式会社○○業務部一同」など、グループ名のみを入れます。別紙に全員の名前を書き、中袋に入れます。
中袋の表に漢数字で金額を書き入れます。
中袋の裏には、住所と名前を書き入れます。
住所は郵便番号から書き入れ、省略しないようにします。
お札の表が中袋の裏になるように、向きに注意して入れます。
グループで香典を包む場合は、全員の名前を書いた紙を中袋に入れます。
①お札の表(中袋の裏)を上にして紙の中央に 置き、②右左の順に折ります。③上が下に被さるように折り、④水引を掛けます。